こんにちは。でんすけです。
7/31にJTのQ2決算が発表されました。
JT、今期最終を6%下方修正
JT <2914> が7月31日大引け後(15:00)に決算(国際会計基準=IFRS)を発表。20年12月期第2四半期累計(1-6月)の連結最終利益は前年同期比23.8%減の1724億円に減った。
併せて、通期の同利益を従来予想の3050億円→2860億円(前期は3481億円)に6.2%下方修正し、減益率が12.4%減→17.9%減に拡大する見通しとなった。
会社側が発表した上期実績と通期計画に基づいて、当社が試算した7-12月期(下期)の連結最終利益は前年同期比6.8%減の1135億円に減る計算になる。
直近3ヵ月の実績である4-6月期(2Q)の連結最終利益は前年同期比18.5%減の861億円に減ったが、売上営業利益率は前年同期の23.3%→24.1%に上昇した。
(株探ニュース)
配当金は2020年度の中間配当金は「維持」ということで、この情報を知って安心された方も多いかと思います。
2016:130
2017:140
2018:150
2019:154
2020:154(予想)
配当金は年間で154円の予想です。
今年度は増配は止まったものの高配当銘柄として超有名な銘柄です。
この配当金を目当てに投資をしている件について、実際の数字を使って説明していきます。
今からJTに投資をしようとしている方、現在JTを保有している方にも参考になるように作成します。
ほぼ含み損の算出方法
各権利付きの最安値で購入したと想定
JTの配当金は年2回6月と12月なので、
6月の配当金の権利を狙う場合は、1月~6月
12月の配当金権利を狙う場合は、7月~12月
に買って権利を跨ぎをします。
その期間中の最安値で買った奇跡のパターンで検証します。
参照期間:2016~2020年
5年間、計9回分の配当金を得た時の計算です。
配当は累計額で計算
配当金を累計で計算するので投資が早ければ早いほど配当金を受け取る額は多くなります。
1度買った株は一切売らずに配当金を受け取りながらホールドするとどうなるかという計算です。
これを、権利月跨ぎまでの6か月間で最安値で購入するのでめちゃくちゃラッキーな買い方をした場合の想定です。
ただし、買い増しや配当の再投資はしないものとします。
税前、税後、優待込みの3通り
①課税前
②課税後
③株主優待込み
の3パターンでどのような損益状況になるかを検証してみます。
累計の配当金、核燃の安値株価(課税前)
時期 | 累計配当金 | |
2016年 | 6月 | 651円 |
12月 | 587円 | |
2017年 | 6月 | 521円 |
12月 | 451円 | |
2018年 | 6月 | 381円 |
12月 | 306円 | |
2019年 | 6月 | 231円 |
12月 | 154円 | |
2020年 | 6月 | 77円 |
2016年6月に買付をしていれば、2020年8月現在で651円の配当金を受け取っています。100株保有で65,100円です。
2016年12月であれば、587円で保有期間が遅ければ遅いほど受け取れる配当金は少なくなります。
株価安値 | 安値日 |
3792円 | 2016年1月21日 |
3627円 | 2016年11月15日 |
3607円 | 2017年2月7日 |
3641円 | 2017年9月8日 |
2784円 | 2018年3月23日 |
2570円 | 2018年12月25日 |
2456円 | 2019年5月10日 |
2179円 | 2019年9月4日 |
1862円 | 2020年3月23日 |
暗算ができて、現在の株価をご存知の方は想像できると思います。
どのような結果になるか・・・
課税前の累計配当と安値仕込みの株価
配当時期 | 株価安値 | 累計配当金 | 差 | 損益 | 安値日 | |
2016年 | 6月 | 3792 | 651 | 3141 | -36.4% | 2016年1月21日 |
12月 | 3627 | 587 | 3040 | -34.2% | 2016年11月15日 | |
2017年 | 6月 | 3607 | 521 | 3086 | -35.2% | 2017年2月7日 |
12月 | 3641 | 451 | 3190 | -37.3% | 2017年9月8日 | |
2018年 | 6月 | 2784 | 381 | 2403 | -16.8% | 2018年3月23日 |
12月 | 2570 | 306 | 2264 | -11.7% | 2018年12月25日 | |
2019年 | 6月 | 2456 | 231 | 2225 | -10.2% | 2019年5月10日 |
12月 | 2179 | 154 | 2025 | -1.3% | 2019年9月4日 | |
2020年 | 6月 | 1862 | 77 | 1785 | 12.0% | 2020年3月23日 |
2020年8月18日 株価:1999円
2017年12月期の配当金を狙った投資は特に厳しい結果となっています。
累計配当金を451円を受け取って取得単価と差し引きすると3190円まで損益分岐点が下がります。
100株買っていたら約12万円損している計算になります。
ちなみに課税前です。
配当金20%課税後の場合
配当時期 | 株価安値 | 累計配当金 | 差 | 損益 | 安値日 | |
2016年 | 6月 | 3792 | 521 | 3271 | -38.9% | 2016年1月21日 |
12月 | 3627 | 470 | 3157 | -36.7% | 2016年11月15日 | |
2017年 | 6月 | 3607 | 417 | 3190 | -37.3% | 2017年2月7日 |
12月 | 3641 | 361 | 3280 | -39.1% | 2017年9月8日 | |
2018年 | 6月 | 2784 | 305 | 2479 | -19.4% | 2018年3月23日 |
12月 | 2570 | 245 | 2325 | -14.0% | 2018年12月25日 | |
2019年 | 6月 | 2456 | 185 | 2271 | -12.0% | 2019年5月10日 |
12月 | 2179 | 123 | 2056 | -2.8% | 2019年9月4日 | |
2020年 | 6月 | 1862 | 62 | 1800 | 11.0% | 2020年3月23日 |
2020年のコロナショックの最安値で買った場合のみ利益が出ていますが、検証の期間ではいつ買ってもほぼ含み損という結果となりました。このまま株価が下がっていくと2016年6月~2017年12月までに購入した方は40%以上の損となる可能性もあります。というか、7/31の決算発表前までは40%以上の含み損を抱えていました。
株主優待を含めた場合
JTと言えば株主優待でも有名です。
2020年はごはんセットやカップ麺セットなど貰って嬉しい商品です。
しかも2020年は12月の年1回2500円相当ですが、昔は年2回で(1000円×2回)相当の株主優待がありました。
配当金と株主優待を累計して計算してみると以下のようになります。
配当時期 | 株価安値 | 配当 | 優待 | 配当+優待 | 差 | 損益 | |
2016年 | 6月 | 3792 | 521 | 95 | 616 | 3176 | -37.1% |
12月 | 3627 | 470 | 85 | 555 | 3072 | -34.9% | |
2017年 | 6月 | 3607 | 417 | 75 | 492 | 3115 | -35.8% |
12月 | 3641 | 361 | 65 | 426 | 3215 | -37.8% | |
2018年 | 6月 | 2784 | 305 | 55 | 360 | 2424 | -17.5% |
12月 | 2570 | 245 | 45 | 290 | 2280 | -12.3% | |
2019年 | 6月 | 2456 | 185 | 35 | 220 | 2236 | -10.6% |
12月 | 2179 | 123 | 123 | 2056 | -2.8% | ||
2020年 | 6月 | 1862 | 62 | 62 | 1800 | 11.0% |
2019年12月から長期保有優待に変更しています。2019年12月から投資を開始した人はまだ株主優待を受け取っていません。隠れ優待の金額は加味していません。優待利回りは約1%なので損益の結果には大差ありませんでした。
まとめ
それぞれの期間の中で最安値で買えた場合での検証をしてみましたが、配当目当てで長期投資をしている投資家はほとんど含み益を抱えています。
コロナショックの影響で先行き不安でどの銘柄の株価も安いでしょと言われるとそれまでですが、これまでJTはここが底値だと毎回株価を下げてきました。
配当金を増配してきてこれからも増配はなくても維持し続けてくれれば保有する価値もあるかもしれませんが、そろそろ配当金維持も厳しそうです。
配当性向が年々高くなり、ぶっちゃけヤバい領域まで逝っています。
配当金と配当性向
2016:130 55.2%
2017:140 63.9%
2018:150 69.7%
2019:154 78.6%
2020:154(予想) 89.6%(予想)
高配当でも配当性向は40%以下くらいでないといけないと思っています。
それが、今年は利益の約90%を配当金で支払う状況となってしまっています。
しかもこの配当金には税金20%取られてしまいます。
今年、配当性向の高いキヤノンや青山商事は減配しています。
配当金が高いので長く持っていれば大丈夫と安易に考えていると、減配してさらに株価の下落し含み損が増え続けてしまう結果になるかもしれません。
以上のことからJTを買うことはありえないと考えます。
最後まで読んでくれてありがとう。